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電磁場中の荷電粒子のラグランジアン

「電磁場のラグランジアン」ではありません。
厳密にいうと・・・
電磁場中を運動する荷電粒子の古典的運動を支配するラグランジアンです。

比較的最近まで、この両者を混同してました^^;

「電磁場のラグランジアン」というのは、
場の理論で出てくるのですが、
オイラー・ラグランジュ(EL)方程式を立てた時に、
それがマックスウェル方程式になるようなもの。


このラグランジアンから
ハミルトニアンを作ると、
電磁場自体のエネルギーが出てきます。

(真空中でも存在するエネルギー)

・・・というのが今のところの僕の理解。
(ちゃんと理解してないので、間違ってるかもしれません)

一方、今回扱おうとしているラグランジアンは、
EL方程式を立てると、ローレンツ力による運動方程式になるようなもの。
ハミルトニアンを作ると、荷電粒子の持つエネルギーが出てきます。

全然、違いますよね!
でも、これ混同していた人、僕だけじゃないんじゃないかな?
結構分かりにくいんですよね。

これ区別しておかないと、
場の量子論で、光と物質の相互作用を考える時に、
粒子のハミルトニアンと電磁場のハミルトニアンが両方合わさったものが出てきて、
なんのこっちゃ?となるんですよ(汗)

前置きが長くなりました。

今回は、いきなり天下りで恐縮なのですが、
電荷 +e の荷電粒子の電磁場(φ, A)中のラグランジアンは以下のようになります。
\[
L = \frac{m}{2}{\bf v}^2 - e\phi + \frac{e}{c}{\bf v}\cdot{\bf A}
\tag{1}
\]
単位系はへヴィサイド・ローレンツです(CGSでも同じ)。

ローレンツ力のニュートン方程式から変形を重ねて、
ラグランジアンを推測していく方法もあるんだとは思いますが、
面倒なので、天下りで与えたラグランジアンからEL方程式を立てて、
ニュートン方程式になることを確認することにします。

こういうラグランジアンを初めに考える人は偉いですね!(笑)

まずは、一般化(正準)運動量を求める。
\[
p_x = \frac{\partial L}{\partial v_x} = mv_x + \frac{e}{c}A_x
\]
などから、
\[
{\bf p} = m{\bf v} + \frac{e}{c}{\bf A}
\tag{2}
\]
となる。
力学的運動量 $m{\bf v}$ に対して、$e{\bf A}/c$ という付加項がつく。

次に、一般化力を計算。x 成分は・・・
\[
\frac{\partial L}{\partial x}
= -e\frac{\partial \phi}{\partial x}
+ \frac{e}{c} \left[
v_x \frac{\partial A_x}{\partial x}
+ v_y \frac{\partial A_y}{\partial x}
+ v_z \frac{\partial A_z}{\partial x}
\right]
\tag{3}
\]

x 成分に対するEL方程式
\[
\frac{dp_x}{dt} = \frac{\partial L}{\partial x}
\tag{4}
\]
を立てると、
\[
\frac{d}{dt}\left( mv_x + \frac{e}{c}A_x \right)
= -e\frac{\partial \phi}{\partial x}
+ \frac{e}{c} \left[
v_x \frac{\partial A_x}{\partial x}
+ v_y \frac{\partial A_y}{\partial x}
+ v_z \frac{\partial A_z}{\partial x}
\right]
\tag{5}
\]

ここで、右辺の d/dt は粒子の運動に沿った変化ということを考慮して、
粒子の位置が変化することによるポテンシャル A の変化も考えなければならない。
\[
\frac{dA_x}{dt}
= v_x \frac{\partial A_x}{\partial x}
+ v_y \frac{\partial A_x}{\partial y}
+ v_z \frac{\partial A_x}{\partial z}
+ \frac{\partial A_x}{\partial t}
\tag{6}
\]
これを用いると、(5)式は
\[
m\frac{dv_x}{dt} = -e\frac{\partial \phi}{\partial x}
- \frac{e}{c} \frac{\partial A_x}{\partial t}
+ \frac{e}{c} \left[
v_y \left(\frac{\partial A_y}{\partial x} - \frac{\partial A_x}{\partial y} \right)
- v_z \left(\frac{\partial A_x}{\partial z} - \frac{\partial A_z}{\partial x} \right)
\right]
\tag{7}
\]
と変形できる。
電磁場のポテンシャル表現
\[
{\bf E} = -\nabla\phi - \frac{1}{c} \frac{\partial {\bf A}}{\partial t}
\tag{8.1}
\]\[
{\bf B} = \nabla \times {\bf A}
\tag{8.2}
\]
を用いると、(7)式は、
\[
m\frac{dv_x}{dt} = e E_x + \frac{e}{c} ({\bf v}\times{\bf B})_x
\tag{9}
\]
他の成分についても同様に計算すると、
\[
m\frac{d{\bf v}}{dt} = e {\bf E} + \frac{e}{c}{\bf v}\times{\bf B}
\tag{10}
\]
となり、ローレンツ力によるニュートンの運動方程式が正しく得られることが確認できた。
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物理>古典力学 | コメント(0) | 2014/02/25 18:51

ハミルトン形式における物理量の時間変化

質点系の話。
ある物理量 A が位置 q、正準運動量 p、時間 t に依存しているとして、
その物理量の時間変化がどうなるかをハミルトン形式で眺めてみる。
\[
A = A(q, p, t)
\tag{1}
\]

時間依存性は、t に陽に依存する部分と、q(t)、p(t)を介して依存する部分があるので、
時間微分を行うと、
\[
\frac{dA}{dt} = \frac{\partial A}{\partial t}
+ \sum_i \left[ \frac{\partial A}{\partial q_i} \dot{q}_i
+ \frac{\partial A}{\partial p_i} \dot{p}_i \right]
\tag{2}
\]
となる。

正準方程式を用いて、$\dot{q}$と$\dot{p}$を置き換えると、
\[
\frac{dA}{dt} = \frac{\partial A}{\partial t}
+ \sum_i \left[ \frac{\partial A}{\partial q_i} \frac{\partial H}{\partial p_i}
- \frac{\partial A}{\partial p_i} \frac{\partial H}{\partial q_i}
\right]
\tag{3}
\]
と書きなおせる。

ここで、ポアソン括弧と呼ばれる以下の表式を導入すると、
\[
\{ A, B \} = \sum_i \left[
\frac{\partial A}{\partial q_i} \frac{\partial B}{\partial p_i}
- \frac{\partial A}{\partial p_i} \frac{\partial B}{\partial q_i}
\right]
\tag{4}
\]
(3)で表された物理量Aの時間変化は、
\[
\frac{dA}{dt} = \frac{\partial A}{\partial t} + \{ A, H \}
\tag{5}
\]
と表すことができる。


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物理>古典力学 | コメント(0) | 2013/09/12 12:38

ハミルトン形式

ハミルトン形式は、まだ質点系についても書いていなかったので、
まずは、質点系のハミルトン形式について。

ラグランジュ形式では、位置 q とその時間微分 q' を変数として取っていたが、
実際には、q'(t) は q(t) の時間微分になっているという依存関係があり、
いろいろとめんどくさいので(笑)、
q' の代わりに、まったく新しい変数 p を用意して、
q と p という独立変数の組で運動を記述してしまえというのが基本的発想!


まず、ラグランジアンは、
\[
L = L(q(t), \dot{q}(t), t)
\tag{1}
\]
と書けるとする。

ここで、q(t) は、自由度N個の場合の qi(t) (i=1,2...,N)について
代表して表記している。

変数 qi に対する次の量を正準運動量 pi として導入する。
\[
p_i = \frac{\partial L}{\partial \dot{q_i}}
\tag{2}
\]

この式を逆に解いて、
\[
\dot{q}_i = \dot{q}_i(q, p, t)
\tag{3}
\]
と表せると仮定すると、q' をすべて、p に置き換えてしまうことができる。

そこで、次のような関数を考え、
\[
H = \sum_i p_i \dot{q}_i - L(q, \dot{q}, t)
\tag{4}
\]
(3)を使って、q' を p に置き換えたものを考えると、H は
\[
H = H(q, p, t)
\tag{5}
\]
と表され、q と p だけの関数となる。
この関数をハミルトニアンと呼ぶ。

このハミルトニアンが満たすべき運動方程式を導く。

q と p の変化に対するハミルトニアンの全微分を考えると、
\[
dH = \sum_i ( \dot{q}_i dp_i + p_i d\dot{q}_i )
- \frac{\partial L}{\partial q_i} dq_i
- \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} d\dot{q}_i
\tag{6}
\]

(2)を使うと、(6)の第2項と第4項は相殺される。
また、Lはオイラー・ラグランジュ方程式を満たすから、
\[
\dot{p}_i = \frac{\partial L}{\partial q_i}
\tag{7}
\]
となるので、(6)は結果的に、
\[
dH = \sum_i (\dot{q}_i dp_i - \dot{p}_i dq_i )
\tag{8}
\]
と書ける。

これより、以下のハミルトン形式の運動方程式(正準方程式)が導かれる。
\[
\dot{q}_i = \frac{\partial H}{\partial p_i}
\tag{9.1}
\]\[
\dot{p}_i = -\frac{\partial H}{\partial q_i}
\tag{9.2}
\]

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物理>古典力学 | コメント(0) | 2013/08/23 20:46

Euler-Lagrange方程式の座標変換不変性

Euler-Lagrange方程式
\[
\frac{d}{dt} \frac{\partial L}{\partial \dot{q}} - \frac{\partial L}{\partial q} = 0
\]

は、座標系 q を別の座標系 Q に変換しても不変であるという話。

最小作用の原理で考えれば、
変分を q で動かそうが、Q で動かそうが、
作用が最小になるところを探すのに変わりはないので、
同じ形になって当然なわけです。

・・・が、そういわれて、
「はい、そうですか!」と納得できる人はいいんですが(笑)
僕はすんなり納得できないタイプなので(汗)、
実際にそうなっているかを確かめてみます。

点変換  
\[
Q_i = Q_i (q_1, q_2, \cdots )
\]

を考える。

時間に陽に依存してもいいのかもしれませんが、
時間に陽に依存しないとしておく。

さらに、点変換は可逆であるとしておく。
つまり、逆変換
\[
q_i = q_i (Q_1, Q_2, \cdots )
\]

が存在するとする。
ヤコビ行列式 $|\partial Q/\partial q| \neq 0$ の状況。

このような仮定のもとに、新しい Q がEuler-Lagrange方程式
\[
\frac{d}{dt} \frac{\partial L}{\partial \dot{Q}} - \frac{\partial L}{\partial Q} = 0
\]

を満たすことを確認する。

ここで、新しいラグランジアンは、
\[
L = L(Q, \dot{Q}, t) = L(q(Q), \dot{q}(Q, \dot{Q}), t)
\]
というように考える。
Lの関数形は当然変わるので、厳密には、L'などと書かなければならないが、
Lと書くことにする。

Q と Q' に関する微分は、
\[
\frac{\partial L}{\partial Q_i}
= \frac{\partial L}{\partial q_j} \frac{\partial q_j}{\partial Q_i}
+ \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_j} \frac{\partial \dot{q}_j}{\partial Q_i}
\]\[
\frac{\partial L}{\partial \dot{Q}_i}
= \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_j} \frac{\partial \dot{q}_j}{\partial \dot{Q}_i}
\]
(仮定より、q は Q'によらないから、第二式に q の項はない)

q の時間微分を考えると、
\[
\dot{q}_j = \frac{\partial q_j}{\partial Q_k} \dot{Q}_k
\]

上式の 偏微分は Q にのみ依存するから、
\[
\frac{\partial \dot{q}_j}{\partial Q_i}
= \frac{\partial q_j}{\partial Q_i \partial Q_k} \dot{Q}_k
\]\[
\frac{\partial \dot{q}_j}{\partial \dot{Q}_i}
= \frac{\partial q_j}{\partial Q_i}
\]

あとは、書くのが面倒だから、省略しますが、
これらの関係を使って単純に計算すると、
\[
\frac{d}{dt} \frac{\partial L}{\partial \dot{Q}_i} - \frac{\partial L}{\partial Q_i}
= \frac{\partial q_j}{\partial Q_i}
\left[ \frac{d}{dt} \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_j} - \frac{\partial L}{\partial q_j} \right]
\]
なる式が出ます。

$\partial q_j/\partial Q_i$のところがヤコビ行列になっていて、
正則であるという条件をつけたので、
Q に関するE-L方程式と、q に関するE-L方程式は、同値となることが分かります。

これで、座標変換不変性は納得できるわけですが・・・
q とq'が時間微分の関係になっているので、
導出がとても複雑な感じに見えてしまうものの、
考えてみたら、要するに、

qの関数 f(q) を Qの関数 f(Q) に変数変換した時に、
\[
\frac{\partial f}{\partial Q}
= \frac{\partial q}{\partial Q} \frac{\partial f}{\partial q}
\]

となるってだけの話ですね!
そうやって考えると、容易に納得できます(笑)


参考文献
[1] 宮崎 州正 「解析力学」講義資料 
http://ocw.tsukuba.ac.jp/74065de55b667fa430fb726974065b66985e/89e36790529b5b66-2
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物理>古典力学 | コメント(0) | 2013/06/04 20:24

最小作用の原理

ハミルトン形式を制するには、
まずは、ラグランジュ形式を制すべし!
ってことで、最小作用の原理から、復習しております(汗)

最小作用の原理
時刻 t1, t2 において、位置 q(t1), q(t2) を通る経路のうち、
作用積分
\[
S = \int_{t_1}^{t_2} L(q(t), \dot{q}(t), t) dt
\]
が最小(正確には停留値)となるような経路が実現される。

多自由度の時は、qi を q で代表して表記。
q' は、q の時間微分。

これから、Euler-Lagrangeの方程式を導きます。

端点を固定した変分 δqi(t) を考える。
\[
\delta S = \int \delta L dt
= \int \left[ \frac{\partial L}{\partial q_i} \delta q_i
+ \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} \delta \dot{q}_i \right] dt
\]
ここで、
\[
\delta \dot{q} = \frac{d}{dt}\delta q
\]
であるから・・・と、たいていの教科書ではさらっと書いてあるのですが、
僕は、初めての時に、「ん?」と思ったので、
バカ真面目に書いてみます(笑)

δq' とは何かというと、
q → q + δq と変化した時に、
その時間微分が q' → q' + δq' と変化すると言う意味。

つまり、
\[
\begin{eqnarray}
\delta \dot{q} & = & \frac{d}{dt}[ q + \delta q ] - \frac{dq}{dt} \\
& = & \frac{dq}{dt} + \frac{d}{dt}\delta q - \frac{dq}{dt} \\
& = & \frac{d}{dt}\delta q
\end{eqnarray}
\]
これを使って、δSの第二項を部分積分すると、第二項は、
\[
\left[ \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} \delta q_i \right]_{t_1}^{t_2}
- \int \frac{d}{dt}\left[\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i}\right] \delta q_i dt
\]
となり、この初めの項は、端点固定の仮定から0になるので、
\[
\delta S = \int \left\{ \frac{\partial L}{\partial q_i}
- \frac{d}{dt}\left[ \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} \right] \right\} \delta q_i dt
\]

任意の変分に対して、停留値条件 δS = 0を満足するためには、
\[
\frac{d}{dt}\left[ \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} \right] - \frac{\partial L}{\partial q_i} = 0
\]

となり、Euler-Lagrange方程式が導かれました。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>古典力学 | コメント(0) | 2013/05/29 00:23

解析力学、何度目の挑戦?

もう何度目の挑戦でしょうか?
またもや、解析力学に挑戦中です!

正準変換のところで理解できなくなって、
ドロップアウトを繰り返してますが、
ここをクリアしないと、量子力学が先に進めない・・・

というわけで、何度目かの挑戦中です!

解析力学って、大学の初年度でやりますけど、
ほんとはかなり難しいんですよね!
そして、かなり重要なんですよね!

抽象的すぎてつかみどころがなくて、
ついつい、相対論や量子論の方が派手に見えるから、
地味な解析力学は適当に終わらせがちだけど、
これが基礎になってますからね・・・

教科書としては・・・
ランダウ・リフシッツ「力学」
大貫「解析力学」(岩波ポケットシリーズ)
ゴールドスタイン「古典力学」

を持ってるんですが、
ネットでいろいろ探していたら、分かりやすい講義録を見つけました。

筑波大オープンコース 宮崎 州正 「解析力学」
(リンク先の「講義ノート」というところにPDFファイルがあります)

オープンコースだけあって、説明がしっかりしていて、
ツボをついていて、すごく分かりやすいです!
こういう教材があるのは、ほんとありがたいですね。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>古典力学 | コメント(0) | 2013/05/24 20:52

正準変換(つぶやき)

解析力学は何度か勉強したのですが、いつも挫折するのがここ(汗)

オイラーラグランジュの方程式と変分原理をやって、
ハミルトニアンを登場させるところまでは理解できるのですが、
そこからがかなり抽象的になって、理解しにくいんですよね。

ここまでは一応、座標は粒子の空間的な位置を表し、
運動量は粒子の速度を表すような描像が成り立つ世界。

しかし、正準変換を行うと、
もう「座標」とか「運動量」とかは言葉上の問題になって、
必ずしも、座標が位置を表し、運動量が速度を表す
とは限らなくなってきて、
とたんに、わけのわからない世界になってきます。

しかし、量子力学や場の量子化をやるのに、
ここを理解しないと話になりません。。。

古典力学と量子力学の対応を理解するのに、
ハミルトン・ヤコビの方程式を理解したいのですが、
なかなか、そこに行きつけない。。。

今度こそは、突破してみたい!と勉強中です。
物理>古典力学 | コメント(0) | 2012/04/03 00:45
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